2009年1月25日日曜日
おくりびと [DVD] 滝田洋二郎
秀逸。。。
余計なシーンやせりふがない。
納棺師役の本木さん、山崎さんの、指先まで全神経を集中させたような、きめ細やかな演技。
映像は、この日本のくにの、四季の情景描写が、このうえもなく、ただ、ひたすら美しい。
そしてこの映画を支えるもうひとつの要素。
チェロの旋律が随所に、叙情的に、川のせせらぎのように流れ、心が清められるような気さえした。
職を失ったチェロ奏者大悟は、故郷山形に帰り納棺師に。悲しみに沈む遺族の前で、ご遺体を美しく整え納棺する、崇高なる儀式の遂行者。当初この仕事を拒絶した妻も、大悟がかれの友人の母の納棺を厳粛に執り行うのをみて、この職務が人間愛がなくてはできない、立派で気高いものなのだと理解し始める。。。
ラストがこの上なく、印象深い。
妻子を捨て、実に30年ののち、ひっそりと死んだ大悟の父(故・峰岸徹さん)。
その父の納棺を、大悟が自らの手で行うとき、父の手中に握られていたものとは。。。
別離していた父子の心が、最後の、本当の最後に、やっと通い合うような、この静かな場面が、みるものの胸をうってやまず、感動の余韻を、いつまでも、いつまでも、心に残すのだ。。。
公開直後、本当に亡くなられてしまった峰岸徹さんに合掌。
人はやがて死ぬ。人は死者をおくり出し、やがて自分もおくり出される。すべてのひとに平等に訪れる、その、静寂のとき。
ひとが生き、やがて死ぬことを真摯に受け止めさせられ、「おくる」、「おくられる」そのときと、人生の時間の大切さを、しみじみと考えさせられる。
みるものの魂に静かに染み入るような、美しく、情緒的で、そして品格の高い、日本映画の秀作の中の秀作。
星6つにも値する、私達にとって、とても大切な作品ではないかとおもいます。
ぜひとも、多くのかたにご鑑賞いただきたいです。
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